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■NEWS 欧州心臓病学会(ESC):わが国の高リスク高齢高尿酸血症例に対するフェブキソスタットで、生活習慣改善中心介入に比べ、腎機能低下を抑制:ランダム化試験 “FREED”

登録日: 2018-08-29

最終更新日: 2018-08-29

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本年の米国心臓病学会(ACC)で報告されたCARES試験では、心血管(CV)疾患合併の痛風例において、フェブキソスタットのCVイベント抑制作用はアロプリノールに非劣性ながら、総死亡とCV死亡は有意に増加していた [White WB, et al: N Engl J Med. 2018; 378(13): 1200] 。わが国における、脳心腎リスクを有する高齢の高尿酸血症例ではどうだろうか。28日の「HOTLINEセッション4」で小島 淳氏(川崎医科大学)が、ランダム化試験“FREED”の結果を報告した。

FREEDの対象は、血清尿酸値が「7.0~9.0mg/dL」で、脳心合併症/リスク、あるいは直近3カ月間の推算糸球体濾過率(eGFR)が「30~60mL/分/1.73m2」だった、65歳以上の1070例である。上記CARES試験と異なり、痛風例は除外されている。平均年齢は76歳、血清尿酸平均値は7.5mg/dL、eGFR平均値は55mL/分/1.73m2だった。

これら1070例は、フェブキソスタット群と対照群にランダム化され、盲検化せず、最長36カ月追跡された(イベント判定者のみ盲検のPROBE法)。

フェブキソスタット群は生活習慣改善に加え、同剤を10mg/日から開始し、40mg/日まで増量を試みた。一方、対照群における介入は、原則的に生活習慣改善中心である。ただし尿酸値が上昇した場合、主治医の判断でアロプリノール100mg/日の開始も可能だった。最終的にアロプリノールを服用していたのは、27.2%である。

その結果、尿酸値は、フェブキソスタット群で有意に低下した(試験終了時:4.50mg/dL vs. 6.76mg/dL、P<0.001)。

また1次評価項目である「総死亡・脳血管障害・心筋梗塞/不安定狭心症・心不全入院・動脈疾患治療・腎機能低下・心房細動新規発症」のリスクは、フェブキソスタット群で有意に低くなっていた(23.3% vs. 28.7%、ハザード比 [HR] :0.75、95%信頼区間 [CI]:0.59-0.95)。

カプラン・マイヤー曲線は、両群とも試験開始後約10カ月と23カ月の時点でイベント発生が著増しており、階段状に上昇していた。

さて、これら1次評価項目の内訳を見ると、両群とも腎機能低下(アルブミン尿増悪、血清クレアチニン値2倍化、末期腎不全移行)が約7割を占めていた。そしてフェブキソスタット群で有意に低下していたのは、この「腎機能低下」のリスクだった(16.2% vs. 20.5%、HR:0.75、95%CI:0.56-0.99)。一方、脳心血管系のハードエンドポイント(死亡・脳血管障害・心筋梗塞/不安定狭心症)の発生率は、フェブキソスタット群:4.3%、対照群:4.9%で、両群のリスクに差はなかった(HR:0.86、95%CI:0.49-1.51)。

指定討論者であるPaul M Ridcker氏(ハーバード大学、米国)は、尿酸高値は痛風や心血管系イベントリスク上昇の「マーカー」であり「ファクター」ではないことが、これまでのエビデンスから明らかになっていると指摘した上で、FREEDは、尿酸高値が腎機能低下リスク上昇のマーカーでもあることを示した――と評価した。

本研究は、帝人ファーマ株式会社の資金提供を受けて行われた。

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