株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

小児の心臓カテーテル治療

No.4921 (2018年08月18日発行) P.56

桃井伸緒 (福島県立医科大学小児科教授)

登録日: 2018-08-19

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

【先天性心疾患に対する血管形成術,弁形成術,閉鎖・塞栓術】

小児カテーテル治療の主たる対象は先天性心疾患であり,わが国の実施件数は年間約4000件を超えると報告されている。術後遺残病変に対する治療など,外科治療を補完する治療が多いが,一部の疾患ではカテーテル治療のみで治療が完結する。最近では血管造影装置が入った手術室内で,外科治療とカテーテル治療を協働して行うハイブリッド治療も行われるようになった1)

先天性心疾患におけるカテーテル治療は,血管形成術,弁形成術,閉鎖・塞栓術,不整脈治療に大きくわけられる。血管形成術はバルーンカテーテルによる拡張術が主であるが,拡張が一過性で無効の場合はステント留置が行われる。国内で使用できる大口径バルーンやステントが少ないことが問題である。弁形成術は肺動脈弁狭窄が主な対象であるが,肺動脈弁閉鎖症に対してもガイドワイヤー穿通後に弁形成が行われる。大動脈弁狭窄に対するバルーン形成術は遠隔期での閉鎖不全が問題であり,外科手術の有用性が再認識されている。閉鎖・塞栓術は,心房中隔欠損症や動脈管開存症に対して専用の閉鎖栓を用いて行われ,細い動脈管はコイルによる閉鎖が行われる。側副血管など不要な血管に対する塞栓術は複数個のコイルを用いて行われるが,近年,血管閉塞用vascular plugも使用可能となり,太い血管も容易に閉鎖できるようになった。

【文献】

1) 日本小児循環器学会・日本Pediatric Interventional Cardiology学会「先天性および小児期発症心疾患に対するカテーテル治療の適応ガイドライン作成委員会」:日小児循環器会誌. 2012;28(Suppl 2):s1-40.

【解説】

桃井伸緒 福島県立医科大学小児科教授

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連求人情報

公立小浜温泉病院

勤務形態: 常勤
募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・消化器外科 各1名
勤務地: 長崎県雲仙市

公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

当病院は島原半島の二次救急医療中核病院として地域医療を支える充実した病院を目指し、BCR等手術室の整備を行いました。医療から介護までの医療設備等環境は整いました。
2022年4月1日より脳神経外科及び一般外科医の先生に常勤医師として勤務していただくことになりました。消化器内科医、呼吸器内科医、循環器内科医及び外科部門で消化器外科医、整形外科医の先生に常勤医師として勤務していただき地域に信頼される病院を目指し歩んでいただける先生をお待ちしております。
又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。透析数25床の能力を有しています。15床から開始いたしましたが、近隣から増床の要望がありお応えしたいと考えますが、そのためには腎臓内科(泌尿器科)医の先生の勤務が必要不可欠です。お待ちいたしております。

●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
今後はさらに、少子高齢化に対応した訪問看護、訪問介護、訪問診療体制が求められています。又、地域の特色を生かした温泉療法(古くから湯治場として有名で、泉質は塩泉で温泉熱量は日本一)を取り入れてリハビリ療法を充実させた病院を構築していきたいと考えています。

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top