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子どもとの外出,熱中症対策には何をどのくらい飲ませる? トイレのタイミングは?【熱中症の謎となぜ】

登録日: 2026.07.19 最終更新日: 2026.07.19

一二三 亨 (杏林大学医学部総合医療学 救急総合診療科 准教授)

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Answer
水筒には経口補水液を入れて,トイレに一緒に行って,おしっこがジャーっという音が出てしっかりと出るまで水分を摂らせましょう。イベントが続く場合には,区切りごとにトイレに行くようなイメージで水分補給を続けましょう。

 夏のレジャーや旅行,公園遊びなど,子どもとの外出では「何をどれくらい飲ませればよいの?」「スポーツドリンクと経口補水液はどう使い分ける?」「トイレが近くなるから,あまり飲ませないほうがいい?」と迷うことも少なくありません。ガイドラインや専門家の考え方をもとに,子どもの熱中症予防に役立つ水分補給のポイントと,外出時のトイレとの上手な付き合い方を解説します。

ガイドラインでは?

 まず『熱中症診療ガイドライン2024』には,以下のようなbackground questionがあります1)
 推奨の要約として

BQ5-04 小児の熱中症予防において,水分摂取量の目安を設定することは有用か?
必要水分量は個人で異なるため水分摂取の推奨量は設定できないが,小児においても水分摂取は熱中症予防・治療において重要である。

とあります。
 その解説文には,「運動中の水分摂取量は9~12歳で20分毎に100~250mL,中高生では1時間ごとに1~1.5Lが推奨されているが,発汗量は運動強度や気象条件により異なるため,こまめな水分摂取を促し,水分を自由に摂取できる環境を整えることが重要であると考える」と記載されています。詳細に書かれていて参考になりますが,実際のところ20分ごとに100mLをきっちりと与え続けるのも難しい感もありますが,実際の運動ではプレーの合間合間に水分補給をし続けるのが大切だと思います。

何を飲めば良いの?スポーツドリンク vs. 経口補水液 vs. 水

 経口補水療法の電解質組成を比較してみましょう2)。一般的に,スポーツドリンクは嗜好性を高めるためにNa濃度が低く,糖分が多めになっています。そのため,大量に飲んだ場合に,糖質摂取過剰に加えて,Na濃度が不足することから,小腸からの吸収が遅れることがあります。
 たまに,慣例的にスポーツドリンクを2~3倍に薄めて飲む方法を実践されている一般の方もいますが,表1 2)を見ると,糖質だけは適切な濃度になりますが,電解質は著しく不足していることがわかります。水では糖質も電解質も同様に不足しますね。そのため,水筒の中身は経口補水液の一択となります。最近,経口補水液も複数社から発売されていますし,手作りでも良いと思います。

トイレはどうすれば良い?(私見)

 夏の暑い日に,子どもと一緒に屋外でのイベントに出かけると仮定しましょう。ズバリ,私の回答は…。
 私自身は,子どもがまだ小さい頃などは「トイレに行きたくなるぐらいまで水を飲もうね」と言っていました。子どもが「トイレに行く」と言ったら,保護者も一緒について行ってジャーっという音が出ておしっこが出ればOKとしていました。尿量の確保は循環の指標の1つであり,循環動態が安定している最もわかりやすい指標と言えます。
 1回トイレに行くまでは何となくできると思うのですが,難しいのは次のトイレまでのインターバルをどうするか(どのように水分を摂らせるか)?なんですよね。
 ただ,ずっと外にいることも現実的には少なくて,移動の間やイベントに参加している間は外にいても,その後は屋内に移動したりするので,たとえば次は,イベントであればそれが半分終わったときとか,昼食後とか,帰り仕度の際などの区切りでトイレに行くようなイメージで良いかと思います。このことばかりに集中してイベントを楽しめないのも良くないですが,あまり大きく時間が空かない範囲で,次のおしっこに連れて行きたいですよね。

文 献
1)日本救急医学会:熱中症診療ガイドライン2024.
[https://www.jaam.jp/info/2024/files/20240725_2024.pdf](2025年4月18日閲覧)
2)大塚製薬工場:電解質と糖質の配合バランス. オーエスワンシリーズが消費者庁から許可を受けた表示について.
[https://www.os-1.jp/products/enableindication/evidence/01/](2025年4月18日閲覧)

(本稿は,熱中症診療の最前線で活躍する著者が,熱中症の予防から治療までを科学的根拠に基づいて解説した『熱中症の謎となぜ』(一二三 亨著)の一部を抜粋・編集したものです。)


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