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痙性斜頸

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-24
中嶋秀明 (福井大学医学部器官制御医学講座整形外科学領域)
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  • ■疾患メモ

    頸筋の不随意収縮に起因する頭位の異常で,主に20~50歳代に初発し,好発年齢のピークは30~40歳代である。局所性ジストニア(持続性または反復性,捻転性の定型的な筋収縮により随意運動や姿勢が障害される病態)の代表である。

    頻用する部位ほど発症しやすいと考えられ,わが国では男性に多い。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    頸部の前屈,後屈,側屈,回旋が種々に組み合わさって生じる。頭部が回旋して斜め上方を向き,顔が向いた方の肩を挙上する姿勢をとることが多い。異常姿勢は患者ごとに一定である(常同性)。

    一般的に,臥位のときには軽快もしくは消失し,坐位,立位,歩行などの負荷や特定の動作や姿勢で増悪する(動作特異性)。

    患者自身が頬や顎に軽く触れることで斜頸が軽快することがある(感覚トリック)。また,起床時には症状が軽い場合がある(早朝効果)。

    全身性ジストニアの部分症として発症し,頸筋以外の上肢・顔面などの筋群にも異常収縮を認める場合がある。半数以上に痛みを伴う。

    【検査所見】

    腱反射著明亢進。

    病的反射陽性。

    筋緊張性伸張反射亢進。

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