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急性腹症

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-26
西田伸一 (西田医院院長)
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  • ■治療の考え方

    急性腹症とは,手術等の迅速な対応が必要な急性腹部(胸部等も含む)疾患である。頻度の高い疾患として,急性虫垂炎,胆石症,小腸閉塞,尿管結石,胃炎,消化性潰瘍穿孔,胃腸炎,急性膵炎,憩室炎,産婦人科疾患などがある1)

    急性腹症には救急の外科的治療を要するものも多く,病院医療を要する場合が多いが,在宅療養が可能な疾患もあり,早期診断によるトリアージが必要である。

    病院医療を要する重篤な疾患であっても,治療の侵襲性,年齢,基礎疾患,生活レベル,本人・家族の意向を考慮し,在宅療養が選択される場合もある。虚弱な高齢者においては手術後の死亡率も高く2),「重症疾患であれば即入院を」という従来的な流れの前に,これらを十分考慮すべきである。しかし同時に,可能な治療が遅延してしまうことのないような配慮も必要であり,スピードが要求される。

    いずれの状況においてもしっかりと24時間体制を確保する必要があり,それぞれにおいて質の高い医療が求められる。

    ■状態の把握・アセスメント

    バイタルサインの確認,腹部理学所見が最優先される。高齢者では腹膜刺激症状が所見として現れにくい場合があるので,腹壁が柔軟であっても安心できない。腸音の聴診や,血液検査による炎症所見の確認が必要である。

    在宅では腹部超音波検査が有用な情報をもたらすが,高齢者の急性腹症ではCT検査を行うことが推奨されており1),診断後の治療と併せて病院での治療が望ましい。

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