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細菌性結膜炎[私の治療]

No.5066 (2021年05月29日発行) P.45

藤島 浩 (鶴見大学歯学部眼科教授)

登録日: 2021-05-31

最終更新日: 2021-05-25

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  • 結膜は外界と接して眼球表面を取り巻いている。そのため外界環境に作用され,また眼球を守るためのしくみが働いている。細菌性結膜炎はこの結膜を主病変とした主に急性の炎症で,感染症によるものが多いが,ほかに異物や外傷でも起こる。細菌の種類によっては慢性に炎症を起こすものもあるので,その場合は起因菌に注意を要する。

    ▶診断のポイント

    細菌性結膜炎の多くは片眼性である。まずは痛み,眼脂などの主訴,病歴が重要である。眼が赤い患者の診察はすぐに眼球をみるのではなく,①顔全体をみる,②左右対称性や眼瞼の腫れ,発赤をみる,③睫毛などの眼球外の状態をみる,④眼球運動をみる,そして⑤結膜所見を眼球結膜,眼瞼結膜の順にみる。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    抗菌薬の点眼療法が中心で,洗眼は勧めない。一般的なブドウ球菌感染症などは2,3日で軽快する。軽快しなかった場合には特別な細菌やウイルス,アレルギーによる別の疾患を考える。炎症が強い場合には弱いステロイド点眼液も併用する。

    残り1,115文字あります

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