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眼瞼痙攣[私の治療]

No.5209 (2024年02月24日発行) P.52

根本裕次 (日本医科大学眼科学教室嘱託医)

登録日: 2024-02-21

最終更新日: 2024-02-20

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  • 眼輪筋の不随意収縮による異常閉瞼を生じる疾患で,初期から羞明,眼乾燥感を伴う。中高年女性に多いが,向精神薬に伴う薬剤性,症候性などは若年者でもみられる。口部ジスキネジアを伴うMeige症候群が多いが,稀に開瞼失行の合併もある。重症化すると,本人が開瞼を企図しても閉瞼してしまい,機能的失明状態に至る。開瞼企図と異常閉瞼の張力が慢性的に続き,眼瞼周囲組織の伸展,弛緩を生じると,眼瞼下垂,眼瞼皮膚弛緩,眉毛下垂などの併発症が発生し,開瞼困難はますます悪化する。

    ▶診断のポイント

    【特徴的な臨床症状】

    自覚症状は,ドライアイに類似する内容もあるが,本人の愁訴が重篤で「暗い部屋でもまぶしい」「先生の前では開瞼できるが,普段は……」「よく物にぶつかる」などと訴える。

    【他覚的所見】

    安静時,眉毛は眼窩上縁よりも下垂(Charcot徴候)し,眼瞼皮膚には細かいちりめん皺がみられる。知覚トリック(眼窩上孔など特定の部位を圧迫すると開瞼が容易になる)がある。痙攣の診断には瞬目テスト(速瞬,軽瞬,強瞬)がある。10~30秒間の速瞬で瞬目リズムが乱れる,軽瞬時に眉毛部や他の顔面筋(皺眉筋,鼻根筋,上唇鼻翼挙筋)の不随意収縮などがある,強く閉じたら開けることができない,などが陽性所見である。併発症の確認には,眉毛や眼瞼皮膚のテープ挙上試験が有用で,開瞼が容易になれば陽性である。また,診療トラブルを防ぐために,家族などのキーパーソンと観察したり,写真や動画に記録しておいたりするとよい。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    【保存的治療】

    羞明軽減目的の遮光眼鏡,知覚トリックによる痙攣軽減目的および併発症軽減目的のクラッチ眼鏡の装用,眼乾燥感軽減目的の人工涙液の点眼,などが挙げられる。

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