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マイボーム腺機能不全[私の治療]

No.5206 (2024年02月03日発行) P.44

天野史郎 (お茶の水・井上眼科クリニック院長)

登録日: 2024-02-04

最終更新日: 2024-01-30

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  • マイボーム腺は眼瞼縁に開口部を持つ皮脂腺であり,その分泌物(meibum)は涙液最表層の油層を形成して,涙液の安定性に貢献する。マイボーム腺機能不全(meibomian gland dysfunction:MGD)は様々な原因によってマイボーム腺の機能がびまん性に異常をきたし,ドライアイになったり,慢性の眼不快感を起こしたりする。50歳以上の日本人の30~50%程度がMGDであり,MGDは多くの人々の生活の質を低下させる重要な疾患である。
    MGD発症のリスク因子としては,加齢,男性および閉経後女性,アンドロゲン欠乏,アジア系,VDT作業,喫煙,コンタクトレンズ装用,緑内障点眼薬,糖尿病,脂質代謝異常,高血圧,甲状腺機能亢進症などがある1)

    ▶診断のポイント

    自覚症状(眼不快感,異物感,乾燥感,圧迫感,流涙など),マイボーム腺開口部閉塞所見,マイボーム腺分泌物の量的・質的変化からMGDを診断する1)

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    MGDの治療は,ホームケア,処方薬,クリニックの施術の3本柱からなる1)。ホームケアとして温罨法,眼瞼清拭,オメガ3脂肪酸(ω-3)内服があり,処方薬としてアジスロマイシン点眼,ステロイド点眼,抗菌薬内服がある。クリニックで施術する治療としてmeibum圧出,intense pulsed light(IPL),thermal pulsation therapy(TPT)がある。

    まず,ホームケアを行うように指導し,MGDの重症度に応じて処方薬,クリニックでの施術を組み合わせていくというのが,治療の基本である。治療効果が出るのにある程度時間が必要なので,患者のキャラクターによってはホームケアや処方薬による治療を継続することができない場合も多い。そうした場合は,クリニックで施術し,一定期間効果が期待できるmeibum圧出,IPL,TPTを行う。

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