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待ってました!四代目春團治[なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(189)]

No.4896 (2018年02月24日発行) P.60

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2018-02-21

最終更新日: 2018-02-20

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桂春團治、いわずとしれた上方落語の大名跡だ。落語界に名人あまたあれど、全国的・歴史的な知名度では春團治がいちばんだろう。その名を知らしめた破天荒な行動が映画や歌にもなった春團治は、明治から大正、昭和にかけて活躍した初代である。

端正な芸風で知られた三代目に次ぎ、このたび春之輔師匠が四代目(よんだいめ、ではなくて、よだいめ)桂春團治を襲名された。四代目には、5回目を迎える「文楽応援の落語会」(チラシ参照)の鼎談で毎春お世話になっている。お祝いを持って、襲名披露公演・午後の部にかけつけた。

祇園の芸妓さんによる艶やかな踊りで開幕。弟子の咲之輔さん、弟弟子(印刷ミスじゃなくて、おとうとでし)の小春團治さんに次いで、知る人ぞ知る爆笑王・笑福亭福笑師匠が、ようこんな席でそんな噺をするなぁという「宿屋婆」で座を沸かす。

中入り前の「中トリ」は、お江戸から落語協会会長の柳亭市馬師匠が来演。福笑師匠の下品話の後、やりにくくないんやろうかと思ったけれど、歌舞伎「仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場」の科白がちりばめられた「七段目」を実に端正に演じられた。場の空気が一転、がらっと上品に打って変わってびっくり。さすがであります。

中入り後はいよいよ口上。上方落語協会・会長の桂文枝、ご存じ桂文珍、笑福亭福笑、柳亭市馬、桂小春團治(敬称略)の順。四代目は何せ運だけはいいとか、えらい言われようだったけど、笑えた。

四代目からの挨拶は、午前の部の口上でいらんことを言うたからという理由で、文枝師匠のご判断により割愛。ありゃ残念と思っていたら、「文枝師匠にはこれまでずいぶんとお世話になりました」の後、最近の女性スキャンダルを連想させるかのように「しかし、お手当はもらっておりません」と言わはったとか…。そらあかんわ。

文珍師匠の「デジタルお父さん」は、デジタル系にうとい中高年あるあるみたいな爆笑新作落語。そしていよいよ四代目春團治の登場。開口一番、「本日のご来場、このご恩は生涯忘れません」とおっしゃったけど、たぶん言うたはるだけでしょうな。

人情噺「子は鎹」(江戸落語では「子別れ」)をしみじみと、そして、子供を実にかわいらしく演じられて大喝采。いやぁ、大満足の襲名披露公演でありました。

なかののつぶやき
「『文楽応援の落語会 part5』は3月9日(金)に大阪・天満天神繁昌亭で。吉田玉助を4月に襲名される人形遣いの幸助さん、四代目春團治師匠と鼎談します。お近くの方、ぜひお運びください!」

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