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CKDと睡眠呼吸障害【睡眠呼吸障害はCVD発症,CKD進展のリスクである】

No.4896 (2018年02月24日発行) P.46

猪阪善隆 (大阪大学腎臓内科教授)

登録日: 2018-02-21

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一般人の睡眠呼吸障害(sleep disordered breathing:SDB)の有病率が10~20%程度であるのに比べ,末期腎不全患者におけるSDBの有病率は高い(30~90%)。推算GFRと無呼吸低呼吸指数(apnea-hypopnea index:AHI)には有意な逆相関があり,CKDの進行に伴いSDBが重症化する。CKD患者のSDB有病率が高い要因として,就寝時に仰臥位になると上半身へ体液が移動し,浮腫のために上気道粘膜の組織圧が上昇するという,Bradleyが提唱する就寝時体液移動説が最も有力である1)

CKD患者は心血管合併症(cardiovascular disease:CVD)のリスクが高いが,SDBもまたCVDの独立したリスク因子である。SDBが循環器系の負荷となる機序として,①高度な胸腔内陰圧による左室後負荷・右室前負荷の上昇,②微小覚醒や低酸素・高CO2血症による交感神経活性化,③低酸素・再酸素化による酸化ストレス・血管内皮障害の惹起,などが想定されている。BMI 25未満のCKD stage 3~4の患者を対象とし,SDBとGFR低下速度の関係を検討したところ,GFR低下速度は非SDB群や軽症SDB群に比して中等度・重症SDB群では有意に早い2)。SDBは酸化ストレスや血管内皮障害を惹起し,交感神経系やレニン・アンジオテンシン系を活性化させることが報告されており,SDBはCVDのみならず,CKDのリスクともなる。

【文献】

1) Elias RM, et al:Nephrol Dial Transplant. 2013; 28(4):937-44.

2) Sakaguchi Y, et al:Clin J Am Soc Nephrol. 2013;8(9):1502-7.

【解説】

猪阪善隆 大阪大学腎臓内科教授

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