高齢化社会を迎えている日本では,CKD患者の多くが高齢者であり,高齢者CKDにおけるGFR低下の原因は加齢性変化と腎疾患が混在したものになる。腎臓の加齢性変化は腎硬化症と類似しており,両者の正確な鑑別はほぼ不可能である。純粋な加齢によるCKDではGFR低下速度が遅く,予後良好とされているが,脱水やNSAIDsによる急性腎傷害(acute kidney injury:AKI)のハイリスク状態であることには留意する。一方,明確な腎疾患によるCKDであっても,そのGFR値には加齢による低下と筋肉量減少を介した血清クレアチニン値低下によるeGFR値の見かけの増加が影響しており,その評価には注意を要する。
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