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急速な進行に驚いた、浸潤性子宮頸癌の一例[プラタナス]

No.4890 (2018年01月13日発行) P.3

矢野邦夫 (浜松医療センター副院長・感染症内科科長)

登録日: 2018-01-15

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  • 20年程前のことである。HIV治療がプロテアーゼ阻害薬の開発によって劇的に進歩した頃の話である。それまでは、HIVに感染すれば5~10年の経過でエイズを発症し、必ず死に至るという状況であった。しかし、その薬剤によってHIVに感染してもエイズを発症することなく、延命できるようになったのである。

    4月中旬、外国籍の20代後半の女性がHIV陽性とのことで他院から紹介された。CD4陽性細胞が4/μLというきわめて厳しい免疫不全の状態での受診となった。4月末より、プロテアーゼ阻害薬を含むHIV薬による治療を開始した。5月中旬に帯下を訴えたため、婦人科受診となった。その結果、子宮頸癌を合併していることが判明した。MRI画像診断では腫瘍性病変は子宮頸部に限局していた。

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