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『誤診』の扉にあるカントの言葉の出典と原文は?【『自然神学と道徳の原則の判明性』から抜粋】

No.4871 (2017年09月02日発行) P.64

松井富美男 (広島大学大学院文学研究科応用哲学・ 古典学講座教授)

登録日: 2017-08-30

最終更新日: 2017-08-29

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  • 『誤診─症例から学ぶ原則と教訓』(Die Fehldiagnose in der Praxis)(Hans-Heinz Schrömbgens編,山本俊一訳,中央洋書出版部,1989)の扉にカントの言葉が引用されています。出典と原文をご教示下さい。
    「誤りはあることを知らぬがために起こるばかりでなく,すべてを知っているわけではないにもかかわらず,必要に迫られて判断を下そうとすることによっても起こるものである」。

    (神奈川県 K)


    【回答】

    引用文は,『自然神学と道徳の原則の判明性』(Untersuchung über die Deutlichkeit der Grundsätze der natürlichen Theologie und der Moral)という前批判期の著作からの抜粋です。ご参考までに,ドイツ語の原文も記しておきます。

    “Irrthümer entspringen nicht allein daher, weil man gewisse Dinge nicht weiß, sondern weil man sich zu urtheilen unternimmt, ob man gleich noch nicht alles weiß, was dazu erfordert wird.”(プロシア王立アカデミー版カント全集第2巻292ページ)

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