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【私の一冊】室生犀星詩集

No.4859 (2017年06月10日発行) P.73

池田隆徳 (東邦大学大学院医学研究科循環器内科学教授)

登録日: 2017-06-10

最終更新日: 2017-06-06

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  • 室生犀星は金沢市生まれの詩人・小説家。1941年、『戦死』で第3回菊池寛賞を受賞。写真は1968年に新潮文庫から出版された福永武彦編集による室生犀星詩集(新潮社、1968年刊〈改版〉)

    今でも頭に残る中学生時代に読んだ詩の一節

    まだ私が中学生だった頃、自宅の書棚には文豪と呼ばれた小説家の書籍が多く飾られていた。ここで「飾られていた」と表現したのは、私の家族には本を読むことを趣味としていた者はいなく、読みあさった形跡もなかったからである。

    自分の本(マンガ中心)をその書棚に収めるため、両親・祖父母の許可を得て、埃まみれの古びた本を捨てることにした。その中には、芥川龍之介、川端康成といった中学生でも知っている文豪の書籍も多くあった。流石にこれらは捨て難かったので、知らない小説家の本を優先して捨てることにした。積みだし本の中に室生犀星と書かれた詩人の古びた書籍が何冊かあった。

    本をまとめて紐で縛っていたところ、少し気になったので数冊めくってみた。すると、胸を打つ詩の一節がいくつかあった。

    「誰一人知らぬ人混みを歩いているほど、痛切に孤独を感じることはない」

    「神はいるのかいないのか、いると思えば願いごとはきっと叶うだろう」

    残り298文字あります

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