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(1)小児高血圧・心不全への降圧薬,末梢血管拡張薬 [特集:子どもの心疾患治療 ─発達に応じた薬物療法を考える]

No.4738 (2015年02月14日発行) P.18

中川雅生 (医療法人啓信会京都きづ川病院院長)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-03-09

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  • 小児の二次性高血圧に対しては原疾患のコントロール,本態性高血圧に対しては生活習慣の修正を試み,その後も高血圧が持続する場合に薬物療法の適応を考慮する

    小児の高血圧治療薬のうち,エナラプリルマレイン酸塩,リシノプリル水和物,バルサルタン,アムロジピンべシル酸塩の添付文書には小児の用法・用量が記載されており,スピロノラクトン,カプトプリル,ニフェジピンには記載はないが,健康保険償還対象になっている

    小児の心不全治療薬のうち,ドブタミン,ドパミン塩酸塩の添付文書には小児の用法・用量が記載されており,アドレナリン,スピロノラクトン,カンレノ酸カリウム,エナラプリルマレイン酸塩,カルベジロール,デノパミンには記載はないが,健康保険償還対象になっている

    1. 小児の高血圧

    小児期の高血圧は,乳幼児期での発症は稀で,加齢とともに増加する。小学校高学年の児童や中学生では0.1~1%,高校生では3%に高血圧がみられるという報告がある1)2)。原因として,乳幼児期や学童期には腎疾患,内分泌疾患や膠原病による二次的なものが多く,思春期以降になると本態性高血圧が多くなる(表1)3)。二次性高血圧の病因として塩分の過剰摂取や食塩感受性,レニン・アンジオテンシン系,交感神経活性の亢進,血管の硬化性変化などがあり,これらは複雑に作用し合っている。さらに,小児の高血圧は無症状に経過することが多い。二次性高血圧で血圧が高いままに持続するか急激に血圧が上昇した場合には,頭痛,めまい,視力異常,食思不振や意識障害,乳幼児では痙攣をきたすことがある。本態性高血圧は軽症が多く,生活習慣の修正で改善できる。

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