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新しい抗血小板薬チカグレロルの特徴と従来薬との違い【CPTP系薬剤。抗血小板作用の発現が素早く,薬剤中止後は速やかに作用が切れる】

No.4851 (2017年04月15日発行) P.58

田邉健吾 (三井記念病院循環器内科/ 冠疾患集中治療センター(CICU)部長)

阿古潤哉 (北里大学医学部循環器内科学教授)

登録日: 2017-04-12

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  • 新しい抗血小板薬チカグレロルが承認されました。この薬の特徴,従来の抗血小板薬との違いを教えて下さい。北里大学・阿古潤哉先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    田邉健吾 三井記念病院循環器内科/ 冠疾患集中治療センター(CICU)部長


    【回答】

    (1)チカグレロルの特徴
    チカグレロル(ブリリンタ®)はcyclo pentyl triazolo pyrimidine(CPTP)系の薬剤に分類される抗血小板薬です。クロピドグレルやプラスグレル塩酸塩などのチエノピリジン系の薬剤は血小板の「P2Y12受容体に不可逆的に結合」して血小板凝集作用を阻害するのに対し,チカグレロルは「P2Y12受容体に可逆的な結合」をすることにより抗血小板作用を発現します。

    チエノピリジン系の薬剤はプロドラッグであり,肝臓で代謝されてから活性体となり作用を発現するのに対し,チカグレロルは,「そのものが活性を持つ」。このため,抗血小板作用の発現は素早く,また薬剤中止後も速やかに作用が切れることが期待されています。しかし,その効果発現の特徴の反面,1日2回の投与が必要です。また,チカグレロルは出血性の合併症を生じる恐れがある以外に,呼吸困難感が比較的高頻度で生じることが知られています。

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