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【私の一曲】『Inget Nytt Under Solen』

No.4758 (2015年07月04日発行) P.77

祖父尼 淳 (東京医科大学消化器内科学分野講師)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-15

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  • カイパは、1970年代北欧を代表するシンフォニック・ロック・バンド。70年に結成、75年デビューアルバム『KAIPA』を発表、『Inget Nytt Under Solen』はセカンドアルバム(Decca、76年発売)。83年に解散したが2002年に再結成、活動を続けている。

    心を震わせた1枚のレコード

    素晴らしい音楽との出会いは、その後の人生に大きな影響を与えるものだ。小学1年で音楽に目覚め、いつしか洋楽の世界へと誘われていった。1970年代中盤まで主流だったプログレッシヴ・ロックの魔力に惹きつけられ、未知なる世界への扉を開けていく。そして高2の夏、運命ともいうべきレコードに出会う。それがカイパの『Inget Nytt Under Solen』だった。一瞬にして、感動という言葉では言い尽くせない高揚感に震えた。

    カイパはスウェーデン出身で、70年代中盤に北欧で活躍したが、日本では伝説のバンドだった。北欧の伝統と風土に根差した叙情性と構築美が溶け合い、暖炉のような温もりと人懐っこさに溢れた甘美で豊饒な音を紡ぎ出す。美しいギターとキーボードの調和は波が打ち寄せるかのように押し寄せ、ギターが永遠の旋律を奏でる。淡く切ない情感とその余韻が永遠に続いてくれればと、幾度思ったことだろう。心を震わす感動に満ちた作品で何人の人生を変えてきたのだろうか。

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