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【私の一本】『ジェイソン・ベッカー:Not Dead Yet』

No.4753 (2015年05月30日発行) P.77

中島 孝 (国立病院機構新潟病院副院長(神経内科))

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-17

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  • 2012年製作のアメリカ映画、ジェシー・ヴィレ監督作品。主人公のジェイソン・ベッカーは、1969年カリフォルニア生まれのヘヴィメタルギタリスト、作曲家。筋萎縮性側索硬化症(ALS)の療養をしながら音楽活動を続けている。[http://jasonbeckerguitar.com]
    (Kino Video、2012年発売)

    ALSケアのすべてが描かれた音楽映画

    この映画は日本では2014年11月に封切られ、地域に根ざした映画館で上映されている。観客動員数・興行収入を目指して製作されていないが、ヘヴィメタルのギタリスト、ALSや筋ジストロフィーなどのケア支援者の注目を集めている。

    ジェイソン・ベッカーの生い立ちから現在までの状況が、父のナレーションにより進行するドキュメンタリーである。映画はボブ・ディランの『ミスター・タンブリン・マン』で象徴的に始まり、彼の音楽活動が克明に描かれている。彼は、バッハの対位法を理解し、左手だけで演奏ができる超絶技巧を有する稀有なギタリストである。父から音楽の英才教育を受けたが、映画では本人が自らギターにのめり込んでいく様子がわかる。

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