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夫婦で異なる診療科を開業する場合,ホームページは1つ? 2つ? 〜内科医・皮膚科医のケース[〈失敗から学ぶ〉医療機関ネット戦略のケーススタディ(9)]

No.5281 (2025年07月12日発行) P.52

河村伸哉 (株式会社日本経営 Wevery! 創業者)

登録日: 2025-07-14

最終更新日: 2025-07-09

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ご相談内容
夫婦でクリニックの開業を予定しています。私は副院長として皮膚科を担当し,午前中のみ診療を行う予定です。一方,夫は院長として内科を担当し,終日診療を行う予定です。
現在,ホームページの制作を検討しており,業者からは「内科と皮膚科で別々のホームページを作成したほうがよい」と提案を受けました。確かに,患者層が異なる点を考えると一理あるとは思いますが,かえって患者が混乱するのではないかと不安です。
同じ施設内で診療しているにもかかわらず,ホームページをわけることに意味はあるのでしょうか。情報整理や患者の導線の観点から,どのような構成が望ましいのか,今後の戦略について,アドバイスを頂けますと幸いです。
河村よりご回答
クリニックのホームページは,基本的に「1つ」で十分です!

今回のご相談は,夫婦で異なる診療科(内科と皮膚科)を担当しながら,同じクリニック内で診療を行う際のホームページのあり方についてです。業者から「2つにわけたほうがよい」と提案され,戸惑っているのではないでしょうか。
おそらくこの提案の背景には,検索エンジン最適化(SEO)やターゲット別の訴求効果を狙った考え方があると推察されます。しかし私は,原則としてホームページを1つにまとめることを推奨しています。
確かに,内科と皮膚科では対象となる患者層が異なるため,診療科ごとに特化したホームページを用意することで,一時的なメリットがあるのは事実です。また,それぞれの診療科の特徴や主張をまとめやすく,制作しやすいというメリットもあります。
しかし,ホームページを2つにわけた場合,制作費や運用コストが実質的に倍になり,更新や管理の手間も増えます。それ以上に問題なのは,患者にとってのわかりにくさです。「皮膚科を受診したつもりが,内科だった」「両科が同じ施設にあると気づかなかった」といった混乱が生じれば,不信感を抱かれる可能性もあります。

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