患者の益となるアウトカムを成功率,害となるアウトカムを合併症と設定して,論文を網羅的に検索し,Wongらのコクランレビュー1),AzabのRCT研究2),欧州泌尿器科学会(EAU)ガイドライン3)を含めた3編を選定し,システマティックレビューを行った。
Wongらによるコクランレビュー1)では,内尿道切開術(direct vision internal urethrotomy:DVIU)と尿道拡張を比較したHeynsらのRCT4)を評価対象とし,尿道狭窄症210例をDVIU(21Frのcold knifeによる切開)群104例と,尿道拡張(24Frまでの拡張)群106例にランダム化した。治療後48カ月時における成功率は,DVIU群が39%,尿道拡張群が12%であったが,統計学的有意差はなく(P=0.13),再狭窄までの期間にも差はなかった4)。信頼区間幅が広く,不確実性があることや,交絡因子となりうる狭窄部位,原因,狭窄長などが層別化されていなかった点が問題点として指摘されている1)。
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