『尿道狭窄症診療ガイドライン2024年版』1)から,日常診療で遭遇する頻度は低い小児および女性の尿道狭窄症について概説する。
小児尿道狭窄症は,主に男児に認められ,前部尿道憩室や後部尿道弁などの先天性疾患によるものと,後天性疾患によるものに大別される。先天性疾患には,内視鏡的切開術が有用である。
後天性疾患については,成人と同様に外尿道口狭窄・前部尿道狭窄・後部尿道狭窄に分類される。外尿道口狭窄は環状切除後の外陰部皮膚炎が,前部尿道狭窄は特発性や外傷,尿道下裂形成手術後の合併症が,後部尿道狭窄は外傷が原因となることが多い。
成人と比較して体格は小さいものの,治療方針は,基本的には成人症例と同様である。尿道下裂などの治療既往がある場合には,口腔粘膜や包皮などのグラフトが必要となることが多い。
残り491文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する