株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

救急搬送の患者の診療をなぜ断るのか?[病院トラブル─事務方の解決法(20)]

No.5169 (2023年05月20日発行) P.68

大江和郎 (元東京女子医科大学附属成人医学センター事務長)

登録日: 2023-05-17

最終更新日: 2023-05-17

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

応召義務に関する新通知が2019年12月25日に発出され,医療機関において診療拒否できるケースが増えてきましたが,状況によっては訴訟に発展する可能性もあります。

 救急隊員:貴院に受診している患者からの要請で,これから貴院に搬送したいのですが……。

 事務員:その方は診療費の悪質未納患者で,当院では引き受けられません!

 救急隊員:診療費未納と言っても,貴院のかかりつけ患者ではないのですか?

 事務員:そうですが,悪質未納患者として本人にも診療拒否を伝えております。

 救急隊員:しかし,そうは言っても相当苦しんでおり,一刻も早く診療すべきと……。

正しい対応はどちら?

①患者が当院をかかりつけ医と言っているのですね? 悪質未納患者として診療を断ってから当院にしばらく受診しておりませんが,いったん引き受けますので,搬送してください。

②当該患者は悪質未納患者として当院から診療拒否を申し伝えており,本人の同意のもと以後の診療は受け入れないことは承諾済みです。したがって,本人が診療を希望しても当院では受け入れられません。一般の急病人として,他院へ搬送して下さい。

事務長の見解

悪質未納患者の救急搬送を断るかどうか,というケースです。確実にトラブルになることが予想される場合,診療拒否する必要があります。救急隊員は病院と患者の関係がわかりませんので,②のように丁寧に言葉を補いつつ,診療拒否は患者本人も了解済みという理由できっぱり断りましょう。①のように仮に受け入れた場合,医師の義務として最後まで診療を行わなければならなくなることから,最初から拒否するほかないと思います。

詳しく解説すると……

プレミアム会員向けコンテンツです(最新の記事のみ無料会員も閲覧可)
→ログインした状態で続きを読む

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

関連物件情報

もっと見る

page top