【質問者】寺本篤史 札幌医科大学医学部整形外科学講座准教授
【第1中足骨の骨切り術やTMT関節固定術を症例に応じて使い分ける】
外反母趾の手術術式は数多く報告されており,細かな変法まで合わせると150種類以上とも言われています。その中でも代表的な手術法として第1中足骨の遠位骨切り術,骨幹部骨切り術,基部骨切り術や,第1足根中足(tarsometatarsal:TMT)関節固定術が挙げられます。
第1中足骨と第1基節骨の骨軸のなす角である外反母趾角(hallux valgus angle:HVA)が30°未満である軽度変形症例や,30~40°程度の中等度変形で,第1中足趾節(metatarsophalangeal:MTP)関節内反ストレスX線撮影で適合性の良い症例に対しては,主に第1中足骨遠位骨切り術が適応されます。代表的な術式であるMitchell法では第1中足骨頸部で階段状に骨切りを行い,骨頭を含む遠位骨片を外側に移動させ鋼線やスクリューを用いて固定します。この術式では,骨切りの手法によって矯正量や回旋などを3次元的に調整することができます。
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