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外反母趾の手術術式とその適応について

No.5169 (2023年05月20日発行) P.57

寺本篤史 (札幌医科大学医学部整形外科学講座准教授)

谷口 晃 (奈良県立医科大学整形外科教室准教授)

登録日: 2023-05-19

最終更新日: 2023-05-16

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  • 外反母趾に対する手術術式は非常に種類が多いと言われていますが,どのような変形に対してどのような術式が適応となるのか,最新のインプラントの話題も含めて教えて下さい。
    奈良県立医科大学・谷口 晃先生にご解説をお願いします。

    【質問者】寺本篤史 札幌医科大学医学部整形外科学講座准教授


    【回答】

    【第1中足骨の骨切り術やTMT関節固定術を症例に応じて使い分ける】

    外反母趾の手術術式は数多く報告されており,細かな変法まで合わせると150種類以上とも言われています。その中でも代表的な手術法として第1中足骨の遠位骨切り術,骨幹部骨切り術,基部骨切り術や,第1足根中足(tarsometatarsal:TMT)関節固定術が挙げられます。

    第1中足骨と第1基節骨の骨軸のなす角である外反母趾角(hallux valgus angle:HVA)が30°未満である軽度変形症例や,30~40°程度の中等度変形で,第1中足趾節(metatarsophalangeal:MTP)関節内反ストレスX線撮影で適合性の良い症例に対しては,主に第1中足骨遠位骨切り術が適応されます。代表的な術式であるMitchell法では第1中足骨頸部で階段状に骨切りを行い,骨頭を含む遠位骨片を外側に移動させ鋼線やスクリューを用いて固定します。この術式では,骨切りの手法によって矯正量や回旋などを3次元的に調整することができます。

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