株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

上肢骨折[私の治療]

No.5258 (2025年02月01日発行) P.45

齋藤太一 (岡山大学医学部整形外科学教室講師)

登録日: 2025-02-02

最終更新日: 2025-01-28

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 上肢骨折には肩関節から指先までの様々な部位の骨折が含まれ,その治療や起こりやすい合併症も異なる。ここでは上肢骨折の中でも頻度が高く,高齢者の骨粗鬆症に伴う骨脆弱性骨折でもある上腕骨近位部骨折および橈骨遠位端骨折について述べる。

    ▶診断のポイント

    転倒や交通事故などの外傷後,腫脹や疼痛部位の単純X線撮影を行うことで骨折の診断が可能になる。詳細な評価を行う場合はCTが有用である。また転位が激しい骨折や脱臼の場合,周囲の血管損傷や神経損傷を伴う場合もあるので,上肢の麻痺,しびれの有無や,手関節レベルでの橈骨動脈,尺骨動脈の拍動の確認なども併せて行う。血管損傷などが疑われる場合は造影CTが有用で,閉塞や断裂を伴う場合には修復が必要となる。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    骨折を含め外傷後の治療の基本はRICE〔rest(安静),icing(冷却),compression(圧迫),elevation(挙上)〕であり,保存加療であっても手術加療であっても受傷後から腫脹や疼痛,熱感が続く間は継続して行う。なお,手術の有無にかかわらず,骨折部を含む関節以外の関節は,拘縮予防,腫脹の軽減目的に積極的に関節可動域訓練を指導する。

    残り1,383文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    公立小浜温泉病院

    勤務形態: 常勤
    募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・整形外科 各1名
    勤務地: 長崎県雲仙市

    公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
    現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
    2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
    6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

    当病院は島原半島の二次救急医療体制の救急告示病院として救急患者を受け入れています。
    又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。

    ●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
    今後はさらに、少子高齢化に対応した訪問診療、訪問看護、訪問介護体制が求められています。又、地域の特色を生かした温泉療法(古くから湯治場として有名で、泉質は塩泉で温泉熱量は日本一)を取り入れてリハビリ療法を充実させた病院を構築していきたいと考えています。

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top