K君は3歳時、検診で斜視を指摘されて受診。初診時、近くを見たときだけ内斜位でした。片目を隠すこと、つまり片目で見たとき、隠した目が内・外にずれることがあり、それぞれ内斜位、外斜位と呼んでいます。両目で見たとき視線がずれているのは斜視です。斜位があっても両目で見たときに視線のずれはありません。斜位は多くの人にあり、角度が大きな斜位は眼精疲労や斜視につながります。
K君は遠視があり、遠視の眼鏡を処方しました。軽度の内斜位はあるものの、視力は順調に発達しました。6歳になった頃、近くだけ内斜視が出現しました(写真)。近くを見るときだけ内斜視で、遠見では内斜位です。近見だけ内斜視になるような状態を「非屈折性調節性内斜視」と呼んでいます。この頃から遠視が減少しはじめて、軽度遠視、正視となって8歳には眼鏡をはずしました。
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