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心身相関を目の当たりにした日(鈴木雄一)[プラタナス]

No.5133 (2022年09月10日発行) P.3

鈴木雄一 (福島県立医科大学小児科学内講師)

登録日: 2022-09-10

最終更新日: 2022-09-07

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  • 5年前のこと。当時中学生のAさんは摂食障害の治療のため経管栄養中であった。入院中は1回の栄養注入に1時間を要していたが、家庭での1日3回の注入を本人も家族も許容したことから、外来通院に切り替えた。外来通院しながら体重を維持できたため1日2時間から通学を再開したところ、入院中より注入時間が長くなってしまった。注入中にお腹が張って自ら注入速度を遅くしたり、注入後もお腹を休めるために動かなくなったりしたため、徐々に学校にも行けなくなった。「お腹が苦しいから注入できない、このままではよくないので治したい」とAさんが訴え、生活改善目的に再入院した。

    消化を促進させるために、栄養の稀釈や胃蠕動運動促進薬の使用、排便コントロールなど内科的に可能な限りの方法を試したが、苦しいという訴えは変わらなかった。栄養注入の速度を速めていくと、注入の途中にナースコールが鳴りやまず、その結果、私のPHSも鳴り続けた。入院しているのに体重が減っていく現状に、スタッフの間で「体重を減らしたいから意図的にナースコールを押しているのではないか」とささやかれていた。確かに、摂食障害では体重増加に対する抵抗としての食行動異常はありうる。しかし、小児科医として「苦しいときの腹部はどうなっているのか?」という疑問が残り、腹部X線を撮影した。

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