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高座に立つ!─「文楽応援の落語会」に出た話 [なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(43)]

No.4747 (2015年04月18日発行) P.75

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-21

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  • いやはや、自分でも何をやってんだかと思うことがある。今回はそんな話。大阪にある落語の定席『天満天神繁昌亭』の舞台に立った話である。

    といっても、落語などできはしない。前に書いたように、義太夫を習っている。そのご縁で、「文楽の出てくる落語をきっかけに文楽を見に行ってもらいましょう」という主旨の『文楽応援の落語会』(3月10日)に引っ張り出されたのである。

    先頃亡くなられた桂米朝師匠の御曹司・桂米團治師匠の『猫の忠信』と、知る人ぞ知る大ヒット曲『ヨーデル食べ放題』の桂雀三郎師匠による『胴乱の幸助』という爆笑落語にはさまれての鼎談に登場した。

    この落語会の仕掛け人から「義太夫を一節語れ」と言われた。冗談じゃない。落語『寝床』ではないが、私の下手くそな義太夫にあたって死人が出たりしたら大変だ。

    それはさすがにいかんだろうと、師匠である英大夫に相談した。当然「下手やからやめなはれ」と言われるだろうと思っていたのに、あに図らんや「ええ機会やからやりなはれ」と。万事休す。

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