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特集:子どもの呼吸困難─「なんとなく息苦しい」をどう診るか

No.5119 (2022年06月04日発行) P.18

石立誠人 (東京都立小児総合医療センター呼吸器科医長)

登録日: 2022-06-03

最終更新日: 2022-06-02

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2003年金沢大学医学部卒業。2005年東京都立清瀬小児病院総合小児科シニアレジデント,同呼吸器科サブスペシャリティレジデントを経て,2011年より現職。小児呼吸器内視鏡,小児結核に取り組む。小児科専門医。

1 小児の呼吸困難とは何か? ─成人との違い
・小児は自ら息苦しさを訴えることは少ない。そのため,周囲の大人が息苦しさに気づいてあげることが重要である。
・解剖学的特徴として,小児は気道が細く,分泌物や浮腫で容易に狭窄をきたしやすい,すなわちゼイゼイしやすいことが挙げられる。
・小児の息苦しさを症状で表すとすれば,多呼吸,様々な努力呼吸(肩呼吸,鼻翼呼吸,陥没呼吸,起坐呼吸),喘鳴,呻吟,などが挙げられる。

2 「なんとなく息苦しい(周りから見て苦しそう)」をどうとらえるか
・喘鳴・咳があるかないか→気道の問題か,それ以外かを大まかにわける。
・学童期以降では,精神科疾患も鑑別に挙がる。

3 診察のポイント
小児の場合,訴えをうまく言葉にできないことがよくあるため,保護者から見てどう見えるかを聴取することや,苦しい時の動画を確認することも重要である。
問診のポイント
・呼吸症状が突然発症かどうか→異物やエアリークの鑑別
・どういった時に息苦しさを感じるか→安静時,運動時,入眠時
・息苦しさがある時に,陥没呼吸や肩呼吸,鼻翼呼吸があるか
・咳や喘鳴,発熱,胸痛などの随伴症状の有無
身体所見のポイント
・心拍数,呼吸数,経皮酸素飽和度→重症度を判断
・視診では努力呼吸の有無
・聴診では肺胞呼吸音の左右差,ラ音の有無
検査のポイント
・胸部X線検査:欠かせない検査である。初回は側面像も撮影する。条件が悪く評価が困難な場合は数日おいて再検査を行う
・呼吸機能検査:肺活量,1秒率をみる。小学校低学年では信頼性は低い

4 小児でよくみられる疾患,見逃してはいけない疾患,特徴的な疾患
(1)よくみられる疾患
・鼻炎,アデノイド・口蓋扁桃肥大
・喘息,無気肺,副鼻腔気管支症候群
・ウイルス性気管支炎,感染後咳嗽
・精神的な問題
(2)見逃してはいけない疾患
・気道異物
・エアリーク(気胸,縦郭気腫)
・心不全
(3)特徴的な疾患
・先天奇形:先天性気管狭窄症・血管輪,先天性心疾患,肺高血圧症,肺動静脈奇形,胸郭低形成
・びまん性肺疾患:閉塞性細気管支炎,間質性肺疾患
・胸郭の変形,筋力低下:重症心身障害児,神経・筋疾患,側弯症

5 診療所での診断のポイント
①初診時には,緊急対応が必要かを見きわめるため,まず重症度を評価する。
②重症度が低くても見逃してはいけない疾患を念頭に置き,特に気道異物や気胸・縦郭気腫を意識した診察を行う。
③診療を継続しても改善がみられない場合には,胸部X線を含めた精査を行う。1カ月程度で改善しないような場合は,専門医へ紹介する。

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