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あけましておめでとうございます[なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(386)]

No.5097 (2022年01月01日発行) P.72

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2022-01-01

最終更新日: 2021-12-27

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あけましておめでとうございます。休載になる春までということにはなりますが、本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

昨年の8月に出版いたしました『仲野教授の笑う門には病なし!』、おかげさまを持ちまして増刷にこぎつけることができました。本の価格は、初版が売り切れたら採算レベルという計算だそうなので、増刷イコール責任を果たしたということであります。

ご承知おきかと存じますが、「ええ加減でいきまっせ!」から77編のエッセイを厳選して作った本であります。お読みいただいた方から、どれが面白かったかというレスポンスをけっこうちょうだいしています。

鼻毛をごっそり抜いて考えた「仮説の検証─鼻毛の巻」とか、お正月の寿司屋さんで混乱を一気に解消させた「おせっかいおじさん宣言」のような爆笑(←自分で言うな…)エッセイが人気のようだ。それらと並んで、いいですねと言われることが多いのは、意外にも「コロナな1年」である。

日記に、いいことがあれば、○、◎、花マルをつけている。その数を毎月チェックしたら、どれくらい楽しいことがあったかがおおよそわかる。令和2年は、コロナの影響が如実にあらわれたというお話だ。

内容そのものよりも、日記に○をつけるシステムが興味をひいている。ノンフィクション作家の最相葉月さん、それから其の379で紹介した『キッパリ!』の上大岡トメさんと対談した時にもお褒めいただいた。○だけで×をつけないというのがいいらしい。何も考えてなかったけど、イヤなことって振り返っても不愉快なだけやないですか。

令和元年─2年─3年の○の数(◎は2個、花マルは3個に換算)は以下のとおり。
1月 46─56─16  7月 42─32─39
2月 40─51─22  8月 59─34─19
3月 52─31─36  9月 49─35─21
4月 54─ 5─33  10月 64─51─50
5月 53─22─19  11月 49─48─54
6月 55─30─27  12月 61─30─70?

昨年ほど顕著ではないけれど、緊急事態宣言の影響が明らかだ。10月からはほぼ例年どおりに戻っている。それどころか、推定値ではあるが、12月はこれまでのレコードを記録しそうな勢いだ。もちろん、いま行かないでいつ行くのだという飲み会の多さが原因である。この号が出る頃、体を壊して倒れてなかったらええんですけど。

なかののつぶやき
「お正月は例年通りに、元旦が近所のお宮さん参り、2日が姉の家族とふたりの娘の家族がやってきての宴会、3日が文楽鑑賞とひきつづきの新年会という予定であります。ここ何年もの間、このスケジュールは崩してません。なんとなく、こういう小さなルーチンを破ると、その年に悪いことがおきそうな気がするんですわ。理性ではそんなことないとわかってるんですけど、こういう迷信めいたことをひとつくらい残しておいた方がええんとちゃうかと思っています」

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