株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

【私の一冊】『卡子(チャーズ) 出口なき大地』

No.4815 (2016年08月06日発行) P.75

和田清 (埼玉県立精神医療センター依存症治療研究部長)

登録日: 2016-09-16

最終更新日: 2017-01-20

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 7歳の頃、満州から引き揚げた自らの体験をもとに、人間の壮絶な極限状態を描いた一冊(遠藤 誉著、読売新聞社、1984年刊)

    武力戦争の無常さ・無情さ

    「ギフトールという薬、知ってますか?」と、突然電話が入った。「松ヤニを主原料としていて、薬物の依存なのか離脱なのか、とにかく効くらしいんですよ。その成分がわからないんですよ」。それは『卡子(チャーズ)』という本に出ているという。早速、ネットで購入し読んでみた。

    「ギフトール」とは、著者の父親が発明した「麻薬中毒患者を治療する薬」であり、「Gift(ドイツ語で毒のこと)を取る」から命名されたという。

    ところが、この本、「ギフトール」どころではないのである。舞台は引き揚げが終わった後の旧満州・長春である。八路軍と国民党軍による国共内戦の激化の中で、八路軍が長春を完全包囲し、国民党軍と長春市民とを「兵糧攻め」にしたという。

    残り380文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    関連求人情報

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top