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■NEWS 大学病院勤務医の時間外労働、年1860時間超は10.4%―厚労省研究班

No.5073 (2021年07月17日発行) P.71

登録日: 2021-07-07

最終更新日: 2021-07-07

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厚生労働省の研究班が行った大学病院勤務医の勤務実態調査によると、副業・兼業先との通算で時間外労働が年1860時間を超えた医師の割合は23.2%、副業・兼業先が宿日直許可を取得していることを想定して副業・兼業先の宿日直中の待機時間を除いた場合は10.4%だったことがわかった。調査対象病院の病院長や診療科の教授などへのヒアリングで、上限規制を守るための第一選択肢に「医師派遣の縮小」を考えている施設はなかった。調査結果は71日の「医師の働き方改革の推進に関する検討会」に報告された。 

この調査は、厚生労働科学研究事業の「医師の働き方改革の地域医療への影響に関する調査」。対象施設は、▶地域の偏りがない、国公立大、私大の両方を含む、医師偏在指標の上位と下位の都道府県を含む―ことを基準に10大学病院を選定。これら病院の26診療科に勤務する医師531人の1週間の勤務状況を調べた。集計は、副業・兼業先の宿日直中の待機時間を含む場合と除いた場合の2パターンを実施(いずれも大学病院での宿日直中の待機時間は労働時間に含む)。なお、年間の時間外労働の上限水準を週の総労働時間に換算した場合、年960時間(A水準)は週60時間、年1860時間(B、連携BC水準)は週80時間に相当する。

結果をみると、年間換算した時間外労働が1860時間を超えた医師の割合は、副業・兼業先の宿日直中の待機時間を含む場合が23.2%、除外した場合が10.4%だった。副業・兼業先の待機時間を含む場合の1週間の総労働時間の平均は66時間33分、うち診療業務は43時間19分、診療外業務は10時間47分、待機時間は12時間26分。副業・兼業先の待機時間を除くと、待機時間の平均が3時間41分に減少し、総労働時間の平均が57時間47分に短縮される。所在地の医師偏在指標の違いによる労働時間の差は認められなかった。

■上限規制遵守の第一選択肢が「医師派遣縮小」の診療科はなし

調査では、病院長や事務部門、診療科の教授などへのヒアリングも実施。上限規制を守るための第一選択肢に「医師派遣の縮小」を考えている診療科はなかったが、5診療科は、自院で労働時間短縮の取組をしてもなお上限を超える場合に限り、医師派遣体制縮小の可能性があると答えた。また、ほとんどの診療科が、副業・兼業先の宿日直許可の取得状況を把握できていないこともわかった。

 研究班は、時間外労働の上限規制に向けた勤務体制の整備において、「現状の労働時間の適切な把握は一丁目一番地だ」とし、勤務実態の把握に早急に取り組む必要があると提言している。

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