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オクラ[炉辺閑話]

No.5045 (2021年01月02日発行) P.97

金澤 右 (岡山大学病院病院長・岡山大学理事・放射線医学教授)

登録日: 2021-01-05

最終更新日: 2020-12-28

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この何年か、毎年夏になるとわが家の庭の片隅で野菜をつくりはじめている。「畑」は、2、3m2に過ぎないが、キュウリ、トマト、西瓜、枝豆等々、年ごとに組み合わせを変えて楽しんでいる。

母は、亡くなるまで、父の実家の畑づくりを楽しんでいたが、野菜や果物づくりは同じものをつくっても、気候条件や工夫の仕方とかで毎年毎年違うから面白い、と言っていた。まさしく、その通りだと思う。一昨年は西瓜づくりに挑戦したが、様々な工夫をして7kgの西瓜の庭での収穫に成功した。昨年も西瓜、といきたかったが、2年続けて大成功は難しいと思い、初めてオクラに挑戦してみた。といっても、野菜づくりの師匠であるインターネット検索をすることもなく、朝晩の水やりをこまめに欠かさずにしてきただけだ。

こんなずぼらなつくり方でも、オクラは実をつけてくれた。それで、まず吃驚したのは、オクラは尖った実の先が天を向くことである。僕は、何となく、世の常のように? 尖った先は下を向くとばかり思いこんでいた。興奮して家内にそのことを告げると、彼女は冷静に、昔わが家で娘がオクラを鉢植えして、そのときにあなたもみているはずでしょ、ときた。すみません、家を空けてばかりいて、知りませんでした。

それから、猛然とオクラに興味がわいてきて、そう言えばカーペンターズの「ジャンバラヤ」のガンボって、オクラのことだったよなとか、イクラはロシア語だっけと、オクラは何語なのかとか、オクラを漢字で書けばとか、理屈っぽいことを考え、調べだした。たかがオクラ、されどオクラ、調べるとなかなか奥が深い。こんな生産者の迷走を無視して、オクラは次々にできて、わが家の食卓を飾ってくれた。新型コロナウイルス騒動で、昼御飯は、ずっと家内の手づくり弁当になったが、そのおかずとしても活躍してくれた。

7月に植えたオクラは、10月半ばでも実をつけ、高さ170cmほどとなっている。多分、プロはこんなつくり方はしないのだろうが、素人野菜づくりは、責任がないだけに自由で面白い。

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