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高齢CKD患者のサルコペニア・フレイルの診断と治療について

No.5038 (2020年11月14日発行) P.50

神田英一郎  (川崎医科大学医学部学長付特任教授)

加藤明彦  (浜松医科大学医学部附属病院血液浄化療法部部長/病院教授)

登録日: 2020-11-16

最終更新日: 2020-11-11

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  • 近年,わが国の高齢化に伴い,サルコペニアやフレイルが注目されています。慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者はそのリスクが高いため,診療での適切な診断と治療が求められます。高齢CKD患者のサルコペニア・フレイルをどのように診断し,治療すればよいのでしょうか。浜松医科大学医学部附属病院・加藤明彦先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    神田英一郎 川崎医科大学医学部学長付特任教授


    【回答】

     【運動と食事(十分なエネルギー摂取と適切な蛋白質制限)が必要】

    高齢者に特徴的なサルコペニア・フレイルは,CKD患者ではステージG3b以降から増え,末期腎不全への進行,転倒・骨折,認知機能低下,死亡などの予後と関連します。

    サルコペニアの診断には,Asian Working Groupが2019年に発表した診断基準1)が用いられます。最初に,最大下腿周囲長(男性<34cm,女性<33cm)またはアンケート調査(SARC-F)やSARC-Fと最大下腿周囲長を組み合わせたSARC-CalFによってスクリーニングします。ついで,握力(男性<28kg,女性<18kg)または5回椅子立ち上がりテスト(≧12秒)で筋力/身体機能を測定し,双方を満たした場合には“サルコペニアの可能性あり”と判定します。

    一方,フレイルにはいまだ世界的に統一された診断基準がありません。フレイルの特徴は多面性であり,身体的フレイル(≒サルコペニア),口腔フレイル,社会的フレイル,精神・心理的フレイルに分類されており,それぞれに診断基準がつくられています2)

    サルコペニア・フレイルを合併したCKD患者では,これらを改善するための運動療法と食事療法が必要となります。運動療法については,「腎臓リハビリテーションガイドライン」3)が年齢や身体機能を考慮しながら可能な範囲で行うことを提案しています。運動療法により,運動耐容能や身体機能に関するQOLが維持・改善できる可能性があります。有酸素運動とレジスタンス運動の併用によって,有酸素運動単独より筋量や筋力が増えることが報告されています4)

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