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腎硬化症[私の治療]

No.5287 (2025年08月23日発行) P.44

古市賢吾 (金沢医科大学腎臓内科学教授)

登録日: 2025-08-21

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  • 腎硬化症は新規透析導入患者における原疾患として近年増加傾向にあり,糖尿病性腎臓病についで第二の原因疾患となっている。
    腎硬化症は,長期にわたり高血圧に曝露されることによって生じる,腎動脈あるいは腎細小動脈の動脈硬化性病変に基づく腎障害である。
    悪性高血圧,加速型悪性高血圧は,拡張期血圧が120~130mmHg以上であり,急性腎障害を呈するとともに,心不全,高血圧性脳症,脳出血等を発症する予後不良の病態である。

    ▶診断のポイント

    • 長期の高血圧の持病および網膜症や動脈硬化といった高血圧に伴う臓器障害を認めることが多い。
    • 尿蛋白は比較的少量な場合が多く,1日0.5g未満のことが多い。また,尿潜血も軽度陽性のことが多い。
    • 超音波やCT検査では,両腎の萎縮や皮質の菲薄化,および腎表面の凹凸を認めることが多い。
    • 病理学的には,全節性硬化,細動脈硝子化,あるいは動脈硬化病変を認めるとともに,間質の線維化,尿細管萎縮を認める。

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