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■NEWS 「初診含めたオンライン診療解禁」で3閣僚が合意─日医などとの調整が焦点

No.5035 (2020年10月24日発行) P.68

登録日: 2020-10-13

最終更新日: 2020-10-19

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田村憲久厚労相、河野太郎規制改革担当相、平井卓也デジタル改革担当相の3閣僚は10月8日、初診を含めたオンライン診療の原則解禁で合意した。菅義偉首相が指示した「オンライン診療の恒久化」を進めることを確認したもので、田村厚労相は、安全性と信頼性の確保を前提に具体的な制度設計の検討を急ぐ意向。日本医師会は、新型コロナ感染症流行下の時限的・特例的対応として現在容認されている初診を含めたオンライン診療は、あくまでも「有事における緊急の対応」だとして慎重な議論を求めていたが、早くも「恒久化」が既定路線となった格好だ。

「オンライン診療は映像」を原則化

3閣僚の協議は、河野規制改革相と平井デジタル改革相が規制改革・デジタル化について関係閣僚と意見交換する「2プラス1」の場で行われた。

合意事項は①安全性と信頼性をベースにオンライン診療を初診も含め原則解禁する、②オンライン診療は電話ではなく映像を原則化する、③診療報酬支払基金のワンクラウド化を活用し、支払基金を最大限効率化する―の3点。

翌9日の閣議後会見で田村厚労相は、3閣僚合意はオンライン診療を「恒久的なものにしていくということ」と述べ、事実上、初診を含めたオンライン診療の恒久化を意味するとの認識を示した。電話ではなく映像によるオンライン診療を原則化するとした理由については、「(医師が)より多くの情報を得るためには映像の方が安全」と説明。「安全性・信頼性を確保するためにはどういうことが必要か、これから詳細を詰めていかなければならない」と述べた。

平井デジタル改革相「かかりつけ医にとってはチャンス」

オンライン診療を巡っては、地方の患者が都市部の医療機関をオンラインで受診することが可能となった場合、地方の医療が衰退し、対面診療を受けたいときに受けられなくなるという「地域医療の崩壊」を懸念する声もある。

この点について平井デジタル改革相は9日の閣議後会見で、「かかりつけ医の皆さんがオンライン診療を使うことで今より前向きに患者とのアクセスができる。地方の医師の皆さんにとってはチャンスではないか」としながら、医療崩壊への懸念を払拭するために日医などとの「十分な意思疎通が必要」との認識を示した。

日医・中川会長「オンライン診療に後ろ向きでは決してない」

日医の中川俊男会長は「2プラス1」会合の前日(7日)、日医会館で田村厚労相と会談。

日医によると、その場で中川会長は「オンライン診療について日医は後ろ向きのようなことを言われているが、決してそのようなことはない。技術などの進歩に合わせて、できる範囲から少しずつ着実に進めていくというのが日医の基本的なスタンス」と理解を求め、田村厚労相は「この問題に関しては今後も日医と相談しながらやっていきたい」と述べたという。

今後、安全性・信頼性を確保するための方策などについて厚生労働省と日医など医療関係団体が調整を進める中で、オンライン診療に対する様々な懸念がどこまで払拭されるかが注目される。

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