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新型コロナ対応の資金繰り支援策─実質無利子・無担保の融資が拡充【まとめてみました】

No.5017 (2020年06月20日発行) P.14

登録日: 2020-06-23

最終更新日: 2020-06-23

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新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、医療機関を巡る経営環境が厳しさを増している。長期にわたる受診抑制の結果、患者数の大きな落ち込みが3カ月以上も継続しており、5月あたりから資金繰りが深刻な状況に陥っているクリニックも多いとみられる。本欄では、医療機関が活用できる新型コロナ対応の融資制度や税・社会保険料などの猶予、減免措置について紹介する。

4,000万円まで無利子・無担保の医療貸付

新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業主に対しては、実質的な無利子による各種融資制度が拡充されており、まずはこれらの優遇融資の利用を検討したい。

独立行政法人福祉医療機構が医療機関向けに実施している「医療貸付」は、新型コロナウイルス感染症により、前年同月比5%以上の減収や事業停止等の影響を受けた医療機関が対象となる。

 

特徴は、診療所は4,000万円まで無利子・無担保による融資が可能である点。病院の無利子・無担保による融資の限度額は1億円となっている。

融資自体の上限は、診療所が4,000万円、病院は7億2,000万円。ただし2020年度第2次補正予算の成立により、時限的措置としてすべての医療機関への融資限度額を「従来の額」と「月次減収額の12倍」のいずれか高い方まで拡充することとなった。

無担保融資の限度額は、診療所4,000万円、病院3億円となっているが、コロナ患者の入院受入れや病床確保、接触者外来の設置などコロナ対応を行っている医療機関の場合、「前年同月からの減収額の6倍」という金額も選択できる。

政策金融公庫の特別貸付

日本政策金融公庫が実施している「新型コロナウイルス感染症 特別貸付」で医療機関が対象となるのは、「国民生活事業」と「中小企業事業」の2種類。ともに実質無利子での融資が可能だ。

国民生活事業は、融資限度額が6,000万円で、最近1カ月の売上高が前年または前々年同期と比較して5%以上減少していることが条件となる。個人の場合は要件なし、法人の場合は売上高が15%以上減少など「特別利子補給制度」の要件を満たせば、3,000万円まで3年間は無利子での融資を受けることができる。

中小企業事業の融資限度額は3億円、実質無利子での融資は1億円までとなっている。

民間金融機関の活用も

商工組合中央金庫(商工中金)も、新型コロナ対応の緊急融資による支援を行っている。信用力や担保によらず一律金利とし、融資後3年間までは0.9%の金利引下げを実施。4月中旬から運用を開始している。また政策金融公庫の中小企業事業と同様、特別利子補給制度の基準を満たせば、1億円・3年間まで無利子での融資を受けることができる。

また都道府県などによる制度融資を活用することで、民間金融機関からも4,000万円までは実質無利子・無担保による融資を3年間受けることができる。

税や社会保険料は1年間の納付猶予

税や社会保険料の負担軽減策()も講じられている。2020年2月1日から21年1月31日に納期限が到来する国税と社会保険料については、20年2月以降の任意の期間(1カ月以上)に事業等の収入が前年同期と比較して、おおむね20%以上減少している場合、国税は所轄の税務署、社会保険料は年金事務所に申請すれば、納付期限から1年間、納税の猶予(特例猶予)が認められる。猶予期間中の延滞税・延滞金は全額免除され、申請に当たる担保の提供も不要だ。

また、固定資産税・都市計画税といった市町村税には減免措置が設けられた。対象は、事業用家屋および設備等の償却資産に対する固定資産税(通常、取得額または評価額の1.4%)と事業用家屋に対する都市計画税(同0.3%)。事業収入の減少幅に応じ、全額または1/2を減免する。

当面、外来患者数が以前の状態に戻る見通しが立たない医療機関では、税や社会保険料の納付猶予を最大限活用し、新型コロナ対応の優遇融資で数カ月分に相当する必要な運転資金を調達してほしい。

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