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オンライン診療、初診も時限的解禁─初診料214点、気になる運用法は?【まとめてみました】

No.5010 (2020年05月02日発行) P.14

登録日: 2020-04-30

最終更新日: 2020-04-30

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厚生労働省は4月10日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を受け、初診時も含めオンライン診療・電話診療を時限的に容認することを決め、関係通知(事務連絡)を発出した。電話や情報通信機器を用いて初診患者を診療した場合に算定する「電話等を用いた初診料」が新設、受診歴のない初診患者の初診料算定が可能になった。本欄では、医療機関と患者双方からニーズが高まるオンライン診療・電話診療のポイントについて解説する。

表1は、新型コロナウイルス感染拡大への対応としてこれまでに発出された事務連絡を踏まえ、現時点(4月27日)でのオンライン診療・電話診療の留意点をまとめたもの。

10日の中医協で診療報酬の臨時的・特例的な取り扱いが決まり、初診患者に対し、電話等の情報通信機器を用いた診療を行った場合、「初診料」(214点)が算定できるようになった。

算定対象となるのは、①当該医療機関の受診歴がなく、医師が電話等を用いた診療が可能と判断した場合、②現在は受診していないが、過去に当該医療機関の受診歴があり、新たに生じた症状に対する診療を行う場合─のいずれかに該当するケース。対象疾患の限定はない。医薬品を処方した場合は「処方料」(42点)や「処方箋料」(68点)を算定できる。現在受診中の患者について別の症状で診療を実施した場合はこれまで通り「電話等再診」(73点)を算定する。

また、「オンライン診療料」の対象になる「特定疾患療養管理料」「在宅時医学総合管理料」などを算定していた慢性疾患患者に対して、情報通信機器を用いて医学管理を行った場合は、再診時に月1回、医学管理料(147点)を算定できることとした。

今回の時限的措置で大きいのは、多くの医療機関や患者が活用できるように、ビデオ通話機能などを有したいわゆるオンライン診療システムを使う必要はないという点。電話やFAX、スカイプなどの通信手段による診療でも算定が可能になっている。

オンライン診療研修の受講は不要

実際の運用においては、オンライン診療計画書の作成が不要になる。従来のオンライン診療は、主に慢性疾患の定期的なフォローを想定していたため、診療計画書が必要だった。

急変時の対応については、原則として初診医療機関での対面診療を求めているが、困難な場合は事前に承諾を得た他医療機関の紹介でも可としている。

本人確認については、テレビ電話を用いた場合は画面上で患者の被保険証を確認、医師は顔写真付き身分証明書を提示する。電話では、被保険者証をFAXかメールで医療機関に送付する形になる。

処方箋は院外処方の場合、保険薬局にFAXで送付することができる。ただし処方箋原本は郵送する必要がある。院外処方では、処方薬を患者へ郵送することが可能だ。

患者の支払いは、銀行振込やクレジットカード決済に加え各種電子決済も可とした。

従来のオンライン診療を実施するに当たり必要だった研修の受講は不要とした。

は、医療機関へのコンサルティング事業を展開するメディヴァが作成した診療・業務フロー(一部改変)。いわゆるオンライン診療システムを使わなくても「ありもの」のシステムで遠隔診療の運用が可能であることがわかる。

 

オンライン診療への問い合わせが急増

情報通信機器を用いた初診が可能になったことによって、医療機関からオンライン診療サービス事業者への問い合わせが急増しているという。そこで代表的なオンライン診療サービスである、「CLINICSオンライン診療(メドレー)」「curon(MICIN)」「ポケットドクター(MRT/オプティム)」「YaDoc(インテグリティ・ヘルスケア)」の費用や機能、特徴を表2にまとめた。

CLINICSオンライン診療は、CLINICSカルテやCLINICS予約と組み合わせることで、予約〜オンライン診療〜カルテ〜レセプトという一連の業務を一貫した操作性と共通の管理画面から実施し、効率的な診療体制が可能という特徴がある。

curonは、利用料を医療機関からではなく、患者の決済金額の4%を徴収する料金体系が特徴。画像や動画を柔軟にカスタマイズしやすい問診表や薬局への処方箋FAX共有機能を搭載している。また配送会社との連携によりワンクリックで集荷依頼が可能だ。

ポケットドクターは、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、9月6日までサービスを無償(初期費用、利用料)で提供している。機能面では、初期導入が簡便、クレジットカードがない患者でも診察することが可能、などの特徴がある。

YaDocは、オンライン診療としての利用に加え、バイタルデータを患者と共有するなどモニタリング機能を充実させることで、外来患者の継続受診に有用なシステムになっている。また多くの電子カルテとの連動が可能で、医療者の利便性を追求している。

厚労省は4月24日にオンライン診療・電話診療対応医療機関のリストや医療機関向けの運用マニュアルをホームページに掲載。初診解禁などの今回の対応はあくまで感染拡大による時限的措置だが、オンライン診療の社会的ニーズは確実に高まっており、今後、地域の開業医にとっても重要なインフラになる可能性があると言えるだろう。

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