現役世代の保険料負担軽減のための社会保障改革について実務者協議を重ねてきた自民党、公明党、日本維新の会は6月6日、余剰病床「約11万床削減」、電子カルテ「約100%達成」などを盛り込んだ合意書をまとめた。
今国会での成立が困難となっている医療法等改正案について必要な修正を行い「本年の国会における成立を図る」ことも合意書に明記した。
合意書に盛り込まれた余剰病床「約11万床」は、必要病床数を超える一般病床・療養病床「約5万6000床」と、基準病床数を超える精神病床「約5万3000床」を合算したもの。「地域の実情を踏まえた調査」をした上で、2年後の新たな地域医療構想策定までに削減を図るとし、その旨を政府が6月中に取りまとめる「骨太方針2025」にも明記するとした。
これらの病床削減による医療費削減効果は「約1兆円」と試算している。
現在約50%の普及率にとどまっている電子カルテについては、5年以内に「普及率約100%」を実質的に実現し、医療DXを加速させるとした。
合意書には、介護・障害福祉従事者の処遇改善を図るため、報酬改定や予算措置を組み合わせて「機動的に必要な対応を行う」ことも盛り込まれている。
3党は6日の実務者協議で、①OTC類似薬の保険給付見直し、②地域フォーミュラリの全国展開、③生活習慣病の重症化予防とデータヘルスの推進─なども骨太方針に盛り込むことでも大筋で合意した。
協議後、維新の岩谷良平幹事長は記者団に対し、「『高すぎる社会保険料を何とかしろ』という世論の後押しを受けて、与党が折れる形で、11万床削減、1兆円の医療費削減効果を明記し、満額回答のような形で合意を得ることができた」とコメント。維新が目標とする4兆円の社会保障費削減に向けてさらなる改革の提案を行っていくとした。