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STAP騒動、いろいろあったから書いておきたい [なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(4)]

No.4697 (2014年05月03日発行) P.76

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-04-05

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  • STAP細胞『騒動』、もう食傷と言われるかもしれない。私もそうだ。それなら書くなと言われそうだが、個人的にいろいろとあったから書いておきたい。

    専門分野の関係から、STAP騒動について、何回も在阪テレビ局で解説したり、新聞社の取材をうけたりした。「小保方さんはどうしてこんなことをされたのでしょう」という質問を何度もうけた。本人以外にわかるはずがない。記者会見では「不勉強、未熟さ」と発言しておられたが、それで説明がつくはずもない。

    不服申し立てがなされているので、最終的にどうなるかはわからない。しかし、少なくとも科学という土俵では、不正の判定が覆ることはないだろう。

    不徳のいたすところとしか言いようがないのだが、捏造論文に名前をつらねたことがある。後から考えたら、どうして気づかなかったのかと思う。恥ずかしいことだ。

    それ以来、捏造に対しては大きな怒りを感じ、データや論文に対しては人一倍疑い深い態度で接している。しかし、必ず捏造を見破ることができるかと言われると自信はない。意図的にやられたら、また騙されそうだ。情けなや…。

    残り494文字あります

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