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名画を観るなら大画面[なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(289)]

No.4998 (2020年02月08日発行) P.64

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2020-02-05

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便利な世の中になったもので、家にいながら、いつでも好きな映画を楽しめる。それはいいのだが、やはり大画面で観なおしておきたい映画もある。そのナンバーワンだった『アラビアのロレンス』を観に行った。

100席程度と小さな部屋だったが、日曜だったこともあって満席。胸が高鳴る中、あのテーマ曲が映像なしの黒画面に流れ出す。

バイクで疾走するピーター・オトゥール演じるロレンス。そして名場面中の名場面、マッチを吹き消したとたんに映し出される砂漠の夜明け。ここまでだけで1100円の元を取れた気がした。最後まであっという間の227分。映像の迫力は半端ではなく、期待していた以上に素晴らしかった。

年末から立て続けに、同じく「午前十時の映画祭」で『ウエスト・サイド物語』と『サウンド・オブ・ミュージック』も観に行った。『ウエスト・サイド物語』は、序曲の間、白い縦線だけの映像なのが、マンハッタンのスカイラインに変わり、空撮へと移っていく。

ザルツブルクの丘陵で主題歌「サウンド・オブ・ミュージック」を歌うジュリー・アンドリュース。その冒頭の長いシーンはヘリコプターを使ったものだろうけれど、どう見てもドローン撮影としか思えない。

淀川長治が、よく「いい映画はオープニングを見たらわかる」と言っていたが、まさにそのとおり。3作とも出だしだけで涙がにじんできた。もちろん全編大満足。

デジタル処理のおかげだろう、映像が美しいのには驚いた。昔の洋画はセリフ回しがゆっくりで英語が聞き取りやすいのがよろし。それに、エンドロールがえらく短い。

いやぁ、映画ってホンマにええなぁ、と思いながら次に行ったのは、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』。9作も続いたシリーズの最終作である。行かねばなるまい。しかし、あかんかった…。

最後にこんなのを観るくらいなら、1作目だけ、あるいは3作目までにして、すごかったなぁと思い出にしておいた方がよかったような気がする(あくまでも個人の感想です)。まぁ、世紀の大名作と比べるのは酷だとはようわかってるんですけどね。

「午前十時の映画祭」は終わってしまうそうだが、まだ、死ぬまでに絶対にスクリーンで観ておきたい映画が予定されている。スティーブ・マックイーンの『大脱走』だ。これは何があっても必ず行きまっせぇ。

なかののつぶやき
「スター・ウォーズは第一作であるエピソード4の公開から42年。内容はさておき、特撮技術の向上には目を見張るものがありました。なので、第一作を大画面で観たらどうなんでしょう。今の感覚でいうと、ちゃちな感じがしてしまうやろうか。それとも、懐かしい感じがしてうれしくなるんやろうか。う~ん、むずかしい。けど、なんとなく、これは映画館では観ない方がええかもしれんなぁ」

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