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認知症治療はどこまで進んでいるか─エビデンスと若干の考察[J-CLEAR通信(107)]

No.4988 (2019年11月30日発行) P.36

岡村 毅  (東京都健康長寿医療センター研究所自立促進と精神保健研究チーム)

登録日: 2019-11-29

最終更新日: 2019-11-27

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1 問題のありか

認知症の治療について悲観的な論調を目にすることが多くなった。しかし少し前までは,きわめて楽観的であったことを忘れてはならない。人々は見たいものを見る,聞きたいことを聞く。我々医療者は冷静に,そしてエビデンスに基づいて思考すべきであろう。まずは,認知症治療という問題設定はあまりにも広大であり,問題を分割整理しなければならない。以下の3点は押さえよう。

(1)認知症の多様性

認知症といってもアルツハイマー型認知症,血管性認知症,レビー小体病,前頭側頭葉変性症(一般臨床医が知るべきはここまでであろう)などの多様な疾患群であり,それぞれがまったく異なる。

(2)治療薬の定義

認知症の治療薬には「根本治療薬」と「対症療法薬」がある。病理そのものを抑制する「根本治療薬」はいまだ存在しない。

(3)臨床と病理は異なる

結局のところ本人の生活やケアを脅かすものは行動心理症状(behavioral and psychological symptoms of dementia:BPSD),せん妄(意識障害)である。これらは個別性が高く,非薬物治療(家族教育や環境調整も含めて)や薬物治療の組み合わせで改善する。臨床能力が問われるのはまさにここだ。

本稿では,これまで最も多くのエビデンスが積み重ねられているアルツハイマー型認知症の根本治療薬について記述する。というよりは,血管性認知症とは要は「脳梗塞」であり予防とリハビリテーションが主であるし,レビー小体病や前頭側頭葉変性症の治療は見通しが立たず,ここで記述するのがふさわしくないのが現状だ。

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