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(2)脳血流SPECT[特集:認知症の脳イメージングの進歩]

No.4979 (2019年09月28日発行) P.26

飯塚友道 (複十字病院認知症疾患医療センター長)

登録日: 2019-09-30

最終更新日: 2019-09-25

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アルツハイマー型認知症(AD)には3つのサブタイプがある

レビー小体型認知症(DLB)の診断は,鑑別診断に加えて併存するAD病理の評価も重要

cingulate island sign(CIS)は認知機能障害の進行とともに不明瞭になる

深層学習により精度の高い画像の鑑別が可能である

1. 脳血流SPECT撮影の意義

認知機能障害および手段的ADLの障害などの生活障害が確認され,認知症の鑑別診断が必要となった場合,認知症画像診断が行われる。その手順としては,まず,脳萎縮・脳血管障害・脳腫瘍・正常圧水頭症などを評価するために,形態画像である頭部CT・頭部MRIが撮影される。その際,脳萎縮が年齢相応か軽度であった,もしくは,症状の程度と一致しなかった場合は,機能画像である脳血流単一光子放射型コンピュータ断層撮影法(single photon emission computed tomography:SPECT)を撮影することが望ましい。

神経変性疾患であるアルツハイマー型認知症(以下,AD)やレビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies:DLB),前頭側頭葉変性症などにおいては,神経細胞脱落を意味する脳萎縮が始まる以前から,脳内の病理変化が徐々に進行し,神経細胞やシナプスの機能低下をきたす。このため,これらの機能低下を反映する脳血流減少所見を検出することで重要な情報が提供される。つまり,神経細胞死の結果である脳萎縮を検出する以前に脳血流SPECTで異常を検出することが可能である。ここでは,神経変性疾患性認知症のAD,DLBの脳血流SPECTに関する最近の所見について述べる。

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