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心房細動と治療の現状・今後の方向性について

No.4972 (2019年08月10日発行) P.52

中野由紀子 (広島大学大学院医歯薬保健学研究科 循環器内科学准教授)

井上耕一 (桜橋渡辺病院心臓・血管センター不整脈科長)

登録日: 2019-08-07

最終更新日: 2019-08-06

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  • 心房細動(atrial fibrillation:AF)になったら何が困るでしょうか。現在,どのような治療がされていますか。
    また,今後はどのような方向に向かうのでしょうか。桜橋渡辺病院・井上耕一先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    中野由紀子 広島大学大学院医歯薬保健学研究科 循環器内科学准教授


    【回答】

    【厳密な基礎(心)疾患の治療が最も重要】

    AFは決して重症疾患ではありませんが,甘く見ていると足元をすくわれることがあります。「困ること」として,①基礎疾患・心疾患が潜在するリスク,②血栓塞栓症リスクの増加,③心不全・突然死リスクの増加,④動悸等の症状・不安感によるQOL低下等が挙げられます。

    個々の患者の「困ること」を確認して治療方針を決めます。介入法としては,①基礎(心)疾患の治療,②抗凝固療法,③薬剤によるレートコントロール・リズムコントロール,④カテーテルアブレーションが挙げられます。

    治療方針を決めるために,(救急の場合を除いて)まずはリスク評価,基礎疾患と心不全の有無を調査します。そこで,梗塞リスク,出血リスク,心不全リスク,患者の状況・意向等を評価し,どのような介入を行うかを決めます。

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