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春夏秋冬[炉辺閑話]

No.4941 (2019年01月05日発行) P.89

夏越祥次 (鹿児島大学病院病院長)

登録日: 2019-01-06

最終更新日: 2018-12-26

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昨年7月に鹿児島市で第73回日本消化器外科学会総会を開催させて頂いた。学会テーマを「春夏秋冬〜心技の継承〜」とした。日本消化器外科学会の創立50周年にあたる記念すべき年であり、また、鹿児島は明治維新150周年にあたり、NHKの大河ドラマ「西郷どん」で盛り上がった年であった。さらに母教室の鹿児島大学消化器・乳腺甲状腺外科は開講75周年を迎え、様々な面で記念すべき年であった。

さて、「春夏秋冬」であるが、日本には四季があり、それぞれの季節で趣のある風情、スポーツ、料理を楽しむことができる。季節と人生を重ね合わすこともでき、人生の春夏秋冬を表現する言葉もある。人生の春は「青春」で、青には未熟という意味があり、将来や仕事のことを準備する時期である。夏は「朱夏」で、人生を愉しみ謳歌する時期として、青春時代に芽吹いた希望や志を育てて成熟させる時期にあたる。秋は「白秋」と呼ばれ、人生の実りを収穫する時期になる。続く冬は「玄冬」といい、人生の中で一番の成熟を迎え、次代へと伝承する時期である。人は皆、それぞれの人生の季節を歩んでいる。

さて、私自身の四季はどうであろうか。春の時代である小・中・高校時代は田舎でのんびり過ごし、大学時代はクラブ活動に懸命であった。外科医になってからは昼夜を問わず患者さんの術前・術後管理と、手術を学んだのが夏の時代であった。秋の時代は学会に参加して多くの外科医と知り合うことができ、私自身の人生を豊かにすることができると同時に、切磋琢磨して手術手技の習得・開発や基礎・臨床研究を行った時期であった。還暦を過ぎた今は、初冬の時期である。これまで培ってきた自分自身の「手技や心」を後輩に継承していく時期と考える。諸先輩方の心技の継承方法を参考にしながら、私なりの方法を模索している日々である。どの季節でも本当に一生懸命に納得のいく人生を送りたい、そして人生は心の持ち方によっていつでも旬になるのではないか、と言い聞かせている。

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