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精神病の発症に抗う脳内変化[プラタナス]

No.4912 (2018年06月16日発行) P.3

片桐直之 (東邦大学医学部精神神経医学講座講師)

登録日: 2018-06-15

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  • 近年、統合失調症などの精神病は、早期に治療を受けるほど症状の悪化が防げ、回復も早まり、社会復帰できる可能性も増すことが明らかになっている。さらに、精神病が発症する前段階である精神病発症危険状態(At risk mental state:ARMS)からの介入により、発症さえも予防できる可能性が示唆されている。

    精神病の発症閾値下の精神病症状を呈するARMS症例のうち約30%が精神病へと移行するが(ARMS発症群)、既に同群の脳内では、発症前から様々な病的変化が生じることが知られている。

    一方、ARMS群のうち約70%を超える、精神病へと移行しないことから偽陽性群とも呼ばれるARMS非発症群であったとしても、実際には、40%あまりの人において、2年間経過しても閾値下の精神病症状や不調感が続き、社会復帰することも困難で、様々な苦痛に苛まれていることが明らかになっている。

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