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原発性心臓腫瘍(良性)

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-12
伊藤 宏 (秋田大学医学部循環器内科学・呼吸器内科学分野教授)
佐藤和奏 (秋田大学医学部循環器内科学・呼吸器内科学分野)
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  • ■疾患メモ

    心臓疾患の中では,心臓腫瘍は稀な疾患である。原発性心臓腫瘍のうち3/4が良性腫瘍で,その約半数は粘液腫と言われている1)。ついで,乳頭状線維弾性腫,脂肪腫,横紋筋腫,血管腫などが挙げられる2)

    ここでは代表的な疾患である粘液腫について述べる。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    体重減少,微熱などの全身症状のほか,腫瘍自体が心腔内を閉塞した場合,心不全症状や突然死の危険性がある。また,腫瘍が塞栓源となった場合,左心系であれば脳梗塞や心筋梗塞など,右心系であれば肺塞栓による症状がみられる。

    【検査所見】

    血液検査では特異的な所見はなく,貧血,CRP高値,赤沈亢進,IL-6上昇などを認める。診断には心エコー検査やCT,MRIが有用である。好発部位は左心房の心房中隔で,有茎性であることが特徴である()。

    04_47_原発性心臓腫瘍(良性)

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