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栄養・摂食嚥下評価,リハビリテーション

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-13
新田國夫 (新田クリニック理事長)
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  • ■導入の考え方

    高齢者は脳血管疾患,低栄養,糖尿病,高血圧,心疾患など様々な基礎疾患を持ち,肺炎は重度化する。肺炎患者は年齢とともに増加し,患者の75%以上が70歳以上である。肺炎は生命予後に影響し,死亡率も高い。

    高齢になるほど誤嚥性肺炎の割合が大きくなる。誤嚥性肺炎は誤嚥した物質により必ずしも肺炎が発症するわけではない。栄養状態,免疫力,気管支に入ったときの防御機構が重要である。

    ■状態の把握・アセスメント

    【フィジカル】

    明らかな誤嚥のエピソード:症状が出やすい特定の食べ物・飲み物があるかの確認,高熱の頻度,脱水,低栄養,体重が減少している。

    咳の音が湿っている,痰が常に多い,常時もしくは食後に湿性嗄声がある。

    呼吸の状態が悪いと嚥下時の協調運動ができない。

    甲状軟骨の位置・可動性の確認,円背は頭部が前方に位置し喉頭の位置が低下,咽頭腔が拡大する。

    寝たきり患者は頸部の可動域制限があり,頸部伸展頭部屈曲位,伸展位にて良肢位がとれない。

    嗄声:声門閉鎖不全の場合は食べ物が声門を越えやすく誤嚥のリスクが高くなる。湿性嗄声は誤嚥を疑う。

    【メンタル】

    意識レベルが低いと嚥下反射,咳反射が起こりづらい。

    見当識障害:食べ物とそうでないものの鑑別ができない。

    実行機能障害:本人の咀嚼機能や嚥下機能を超えても口腔内に食べ物を入れる詰め込み,食べるペースが速すぎる,食事時間が異常に長い,口に入れる量が多すぎる,口にためて飲み込まない,食事中・後にむせが多い,などがある。

    【介護力】

    実行機能障害を評価し,介護力に適した食べ方,リハビリを行う。

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    コチラより

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