株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

精神的な要因で身体症状をきたす患者への対応【①原因,②悪循環のパターン,③どう行動すべきかを順を追って説明する】

No.4900 (2018年03月24日発行) P.54

原田康平 (福岡大学医学部精神医学教室)

伊井俊貴 (名古屋市立大学大学院医学研究科精神・認知・行動医学分野)

登録日: 2018-03-21

最終更新日: 2018-03-19

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 精神的な要因で身体症状をきたす患者への対応について,名古屋市立大学・伊井俊貴先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    原田康平 福岡大学医学部精神医学教室


    【回答】

    精神的な要因で身体症状をきたす患者に「検査で異常はありませんでした。精神的なストレスが原因ですね」と話して,納得してもらえなかったことはありませんか。本稿では,このような患者への説明方法を説明します。

    (1)原因

    最初に伝えることは“原因”です。原因を説明する際に,筆者は「身体症状の精神的な要因は神経が敏感になっていること」という表現を使います。この説明によって,①重篤な病気があるわけではないこと,②症状は実在しており患者が嘘をついているわけではないこと,という2点を保証します。具体的には.以下のように話します。
    ・感覚は神経を通じて脳に伝わります。
    ・神経なしでは何も感じず,逆に神経に異常があればどんな症状も感じます。
    ・検査で異常がないときは,「神経が敏感になっていること」が原因です。

    残り703文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top