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高齢受刑者の認知症検査と診察を原則義務化―法務省、2018年度から

No.4894 (2018年02月10日発行) P.12

登録日: 2018-02-05

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刑務所の受刑者に占める高齢者の増加を受け、法務省は2018年度から、全国8つの矯正管区の基幹施設8庁に入所する高齢受刑者に対し、認知症の早期発見に向けた検査と医師による診察を原則義務化する。18年度予算案に必要経費として約1192万円を計上した。上川陽子法務相は1月30日の閣議後会見で、状況次第では、8庁以外の施設にも検査と診察を拡大する考えを示している。

高齢受刑者の数は、直近20年間ではほぼ一貫して増加している。矯正統計年報によると、2016年末における受刑者約4万9000人のうち、60歳以上は全体の2割に当たる約9300人となっている。刑務所では受刑者の高齢化に伴い医療・介護ニーズが増大しており、認知症への対応は大きな課題の1つだ。

法務省が実施した特別調査によると、60歳以上の受刑者のうち認知症傾向が認められた者は約14%(2015年6月時点)を占め、全国の刑務所では約1300人(同)に上ると推計されている。

認知症検査と診察を原則義務化するのは、札幌、宮城、府中、名古屋、大阪、広島、高松、福岡の各刑務所に入所する60歳以上の受刑者。心理系技官や刑務官による検査で一定の点数以上となった者を医師の診察につなげる。診察は基本的に矯正医官が行うが、矯正医官が精神科系疾患を専門としない場合は、外部の医療機関から招聘された精神科医などが診察に当たる。認知症傾向が認められた受刑者については、刑務作業を軽減するなどの配慮を行う。

また、同省は2017年度から、刑務官による入所者の介護を補助する介護専門スタッフを32庁に各1人配置しているが、18年度には認知症検査が導入される8庁で各1人増員する方針だ。

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