株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

米国心臓協会(AHA)学術集会:SPRINT試験血圧測定:医療従事者立会いにより血圧は影響を受けるか

登録日: 2017-11-14

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

高リスク高血圧例に対する積極的降圧の有用性を示したSPRINT試験だが、この試験における血圧測定は一般的に、「医療機関において、医療従事者が立ち会わない環境下で自動測定」と理解されている。これに対し「誤解だ」と声を上げたのが、SPRINT試験実施委員会の一員であるKaren C. Johnson氏(テネシー大学、米国)だ。SPRINT試験の実施手順書には、血圧測定時の医療従事者立会いに関する記載はなく、事実、約半数の施設では、血圧測定時、医療従事者が立ち会っていた。そして医療従事者の立会いの有無は、血圧、臨床転帰のいずれにも影響を及ぼしていなかった。

■半数の施設では血圧測定時、医療従事者が立会い

今回の調査は、SPRINT試験終了直後、Johnson氏が参加施設に問い合わせた結果に基づいている。その結果、「血圧測定」「測定間休息時」のいずれも、医療従事者が立ち会わなかった施設は43%、逆にそのいずれにも立ち会っていた施設が28%、「測定時のみ立会い」が22%、「休息時のみ立会い」が7%だった。

そこでこれら4パターンの施設別に血圧の推移を比較してみた。しかし4パターン間に差はなかった。SPRINT試験「通常降圧」群と「積極降圧」群の血圧差も4パターン間で同等だった。

次に、「積極降圧」群における「CV死亡・急性冠症候群・脳卒中・心不全」(1次評価項目)の減少率を、「常に立会い」施設と「常に非立会い」施設間で比較した。しかし、両群のイベント減少率に有意な異質性は認められなかった。「総死亡」の減少率で検討しても同様だった。

「SPRINT試験において、血圧測定時における医療従事者立会いの有無は、さほど重要ではなかった」とJohnson氏は述べた。

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連求人情報

公立小浜温泉病院

勤務形態: 常勤
募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・消化器外科 各1名
勤務地: 長崎県雲仙市

公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

当病院は島原半島の二次救急医療中核病院として地域医療を支える充実した病院を目指し、BCR等手術室の整備を行いました。医療から介護までの医療設備等環境は整いました。
2022年4月1日より脳神経外科及び一般外科医の先生に常勤医師として勤務していただくことになりました。消化器内科医、呼吸器内科医、循環器内科医及び外科部門で消化器外科医、整形外科医の先生に常勤医師として勤務していただき地域に信頼される病院を目指し歩んでいただける先生をお待ちしております。
又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。透析数25床の能力を有しています。15床から開始いたしましたが、近隣から増床の要望がありお応えしたいと考えますが、そのためには腎臓内科(泌尿器科)医の先生の勤務が必要不可欠です。お待ちいたしております。

●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
今後はさらに、少子高齢化に対応した訪問看護、訪問介護、訪問診療体制が求められています。又、地域の特色を生かした温泉療法(古くから湯治場として有名で、泉質は塩泉で温泉熱量は日本一)を取り入れてリハビリ療法を充実させた病院を構築していきたいと考えています。

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top